毎月3日は「くるみパンの日」。
ふんわりとしたパン生地をひと口食べると、コリッとしたくるみの食感。噛みしめるほどに広がる香ばしさと、パンのやさしい甘み。
シンプルな組み合わせなのに、なぜかまた食べたくなるのが、くるみパンの魅力です。
そんな身近なくるみパンには、ちょっとユニークな記念日の由来があります。
さらに、くるみについて調べてみると、アメリカ・カリフォルニア州から届くくるみだけでなく、日本にも古くからくるみを食べる文化があり、現在も長野県などで国産くるみが育てられていることが分かります。
今回は「くるみパンの日」を入り口に、記念日の由来、カリフォルニア産くるみ、日本産くるみ、そしてくるみパンがおいしい理由まで紹介します。
「くるみパンの日」は毎月3日
「くるみパンの日」を制定したのは、アメリカ・カリフォルニア州のくるみ生産者と加工・販売業者を代表する機関である「カリフォルニアくるみ協会」です。
記念日は一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。
毎月3日が選ばれた理由は、ユニークな言葉遊びにあります。
「毎月来る3日」=「毎月くるみっか」
この「くるみっか」を「くるみ」にかけて、毎月3日を「くるみパンの日」としました。
一年に一度ではなく、毎月3日。
「今日が3日だから、くるみパンを食べてみよう」と思える、覚えやすく親しみやすい記念日です。
なぜ「くるみ」ではなく「くるみパン」なの?
この記念日が「くるみの日」ではなく「くるみパンの日」なのには理由があります。
日本におけるカリフォルニア産くるみの最大の用途がパンだからです。
くるみは、お菓子や料理などにも利用されますが、日本ではパンとの結びつきが特に身近です。
パン生地に練り込んだり、表面にトッピングしたり、レーズンやチーズなどと組み合わせたり。
くるみを加えるだけで、パンに香ばしさと歯ごたえが生まれます。
そのため、定期的に「くるみパン」に親しんでもらうことが、記念日の目的となっています。
カリフォルニア産くるみが日本のパンへ
カリフォルニアは、世界的なくるみの産地として知られています。
特に州中央部に広がるセントラル・バレーでは、多くの農家がくるみを栽培しています。
収穫されたくるみは加工され、日本にも届けられています。
そのくるみが、日本のパン屋さんでくるみパンへと姿を変える。
カリフォルニアの農園で育った木の実が、遠く離れた日本の朝食やおやつになると考えると、普段何気なく食べている一個のパンにも、国境を越えた食のつながりが感じられます。
じつは、くるみは日本にも昔からある
一方で、「くるみ=海外からやってくる食材」というわけではありません。
日本には昔からオニグルミやヒメグルミなどが自生していました。
長野県東御市では、縄文時代の住居跡からくるみの殻が見つかっており、古くから食料として利用されていたことが紹介されています。
つまり、日本人とくるみの関係は、現代の輸入品から始まったものではないのです。
森にあるくるみを採り、硬い殻を割って中身を食べる。
そんな食文化が、はるか昔から日本に存在していました。
国産くるみの産地として知られる長野県
現在の日本で国産くるみの産地として特に知られているのが長野県です。
長野県によると、2022年のくるみ生産量は50.0トンで、全国シェア54.7%。全国1位となっています。
その長野県の中でも代表的な産地が東御市です。
東御市は「くるみの里」と呼ばれるほど、くるみとの関わりが深い地域。
地域では「シナノグルミ」が特産品として知られています。
長野県東部では、明治時代以降にくるみの栽培が広がり、地域の気候や風土を生かしながら栽培技術が受け継がれてきました。
「シナノグルミ」に見る日本のくるみの物語
シナノグルミの背景も興味深いものです。
日本にはもともとオニグルミやヒメグルミが自生していました。
一方、江戸時代には中国からカシグルミが伝わり、明治時代にはペルシャグルミも日本へ入ってきました。
こうしたくるみが長野県東部で栽培され、交配や改良などを経て、現在のシナノグルミへとつながっていきました。
シナノグルミは、実が大きく、殻が薄く、食べやすいことなどが特徴とされています。
海外から伝わったくるみと、日本の風土、そして地域の栽培技術。
その出会いから現在の国産くるみが生まれたと考えると、一粒のくるみにも長い物語があることが分かります。
くるみパンがおいしいのは「食感」と「香ばしさ」
では、なぜくるみパンは多くの人に親しまれているのでしょうか。
大きな魅力は、パンとくるみの食感の違いです。
パン生地はふんわり、しっとり、もちもち。
そこにくるみのカリッ、コリッとした歯ごたえが加わります。
柔らかなパンの中に、突然現れるくるみの食感。
この変化が、一口ごとの楽しさを生み出します。
さらに、くるみを噛みしめると、独特の香ばしい風味が広がります。
焼き上げられたパンから漂う小麦の香りと、くるみの香ばしさが重なれば、食欲をそそる風味になります。
つまり、くるみパンのおいしさは、単なる「くるみの味」だけではありません。
ふんわりしたパン、コリッとしたくるみ、そして香ばしい風味。
この三つの組み合わせが、くるみパンならではのおいしさを生み出しているのです。
くるみパンは組み合わせでも楽しめる
くるみは、さまざまな食材との相性がよいことも魅力です。
例えば、はちみつと合わせれば、くるみの香ばしさに自然な甘みが加わります。
チーズやクリームチーズと合わせれば、濃厚な味わいにくるみの食感がアクセントになります。
レーズンなどのドライフルーツと組み合わせれば、果実の甘酸っぱさとくるみの香ばしさを楽しめます。
このように、パン生地だけでなく、一緒に使う食材によってもくるみパンの表情は変わります。
一個のくるみパンから広がる世界
くるみパンは、決して珍しい食べ物ではありません。
しかし、その背景を少し掘り下げてみると、カリフォルニアのくるみ農園、日本に古くからあるくるみの食文化、長野県東御市のシナノグルミ、そして現代のパン文化まで、さまざまな物語がつながっています。
海外から届くくるみ。
日本の土地で育つくるみ。
そして、それらがパン職人の手によって「くるみパン」になる。
身近なパンの中に、産地と人、食文化のつながりが詰まっているのです。
読者へのメッセージ
毎月3日の「くるみパンの日」は、いつものパンを少し違った角度から楽しむきっかけです。
「毎月来る3日」を「毎月くるみっか」と読むことから生まれた、遊び心のある記念日。
その背景には、日本で利用されるカリフォルニア産くるみの最大の用途がパンであることから、定期的にくるみパンに親しんでもらいたいという思いがあります。
そして、くるみの歴史をたどれば、日本にも古くからくるみを食べる文化があり、現在も長野県を中心に国産くるみが大切に育てられています。
次の3日には、いつものパン屋さんでくるみパンを探してみてはいかがでしょうか。
もし国産くるみを使った商品を見つけたら、カリフォルニア産との違いを想像しながら味わってみるのも面白いでしょう。
「ふわっ」としたパンの中で「コリッ」と弾けるくるみ。
その一口をきっかけに、遠くカリフォルニアの農園や長野県のくるみ畑、そして日本に古くから続く食文化へ思いを巡らせてみる。
それが「くるみパンの日」の、ちょっと贅沢な楽しみ方なのかもしれません。
毎月3日は、くるみパンを味わいながら、身近な一個のパンに込められた産地と食文化の物語を楽しんでみましょう。
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