クロアチアの内陸部に、エメラルドグリーンやターコイズブルーの湖が連なり、森の中を無数の滝が流れ落ちる場所があります。それが、プリトヴィツェ湖群国立公園(Plitvice Lakes National Park)です。 まるで絵画の世界に迷い込んだような美しい景観で知られるこの公園は、ヨーロッパを代表する自然景勝地のひとつ。湖と滝が織りなす風景は、季節や天候、光の加減によってさまざまな表情を見せてくれます。 しかし、この場所の本当の魅力は、見た目の美しさだけではありません。湖そのものが自然の働きによって生まれ、現在も少しずつ姿を変え続けているのです。 今回は、プリトヴィツェ湖群国立公園の美しい風景に隠された、自然の不思議や興味深いエピソードをご紹介します。 プリトヴィツェ湖群国立公園とは? プリトヴィツェ湖群国立公園は、クロアチアの山岳地帯に位置する国立公園です。豊かな森林に囲まれた湖沼群と、そこをつなぐ数多くの滝が特徴で、園内には大小さまざまな湖が点在しています。 公園のシンボルともいえるのが、16の名前が付いた湖です。これらは上湖群と下湖群に分かれ、湖から湖へと水が流れ落ちることで、階段状の水景をつくり出しています。 1979年には、自然が生み出した景観と独特の地質学的な価値が認められ、ユネスコの世界遺産に登録されました。 また、1949年4月8日にはクロアチア初の国立公園に指定されています。長い年月をかけて守られてきた自然が、今も生き生きとした姿を見せている場所なのです。 16の湖と無数の滝が織りなす絶景 プリトヴィツェ湖群国立公園には、大小16の名前が付いた湖があり、それらが階段状に連なっています。湖と湖の間を水が流れ落ちることで、数え切れないほどの滝や段差(カスケード)が形成され、ほかではなかなか見られない壮大な水の景観をつくり出しています。 湖から湖へと流れる水は、場所によって穏やかな流れになったり、岩肌を勢いよく流れ落ちたりします。苔に覆われた石灰質の岩や、周囲に広がる森林も加わり、自然が生み出したとは思えないほど変化に富んだ風景が広がります。 園内を代表する滝のひとつが、下湖群にある「ヴェリキ・スラップ(Veliki Slap)」です。クロアチア語で「大きな滝」を意味するこの滝は、クロアチアで最も高い滝として知られています。主な落差は約78メートルで、...
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