毎月24日は「削り節の日」です。
普段の料理で何気なく使っている削り節ですが、ふわっと立ち上る香りや、料理に加えたときの深いうま味には、日本の食文化ならではの工夫が詰まっています。
冷奴やおひたしにのせたり、だしを取ったり、お好み焼きや焼きそばに振りかけたり……。
小さな袋に入った削り節は身近な食品ですが、その背景を知ると、いつもの一品が少し違って見えてきます。
「削り節の日」はなぜ毎月24日?
毎月24日の「削り節の日」は、東京鰹節類卸協同組合によって制定された記念日です。
日付の「24」は、「ふ(2)し(4)」と読む語呂合わせに由来しています。
「節」を「ふし」と読むことから、2と4を組み合わせて「ふし」。
毎月24日を「削り節の日」とすることで、削り節に親しみ、その魅力を知ってもらうきっかけとなっています。
11月24日も「削り節の日」?
ここで少し興味深いのが、11月24日にも「削り節の日(鰹節の日)」があることです。
11月24日は、
「いい(11)ふ(2)し(4)」=「いい節」
という語呂合わせから、**全国削節工業協会が制定した「削り節の日(鰹節の日)」**です。
つまり、削り節に関する記念日は、
毎月24日……東京鰹節類卸協同組合が制定した「削り節の日」
11月24日……全国削節工業協会が制定した「削り節の日(鰹節の日)」
というように、それぞれ異なる団体によって制定されています。
同じ「削り節の日」という名前でも、日付の意味や制定団体に違いがあるのが面白いところです。
毎月24日は「ふし」、そして11月24日は「いいふし」。
どちらも語呂合わせをきっかけに、削り節やかつお節の魅力に目を向ける日になっています。
そもそも「かつお節」と「削り節」は同じもの?
ここは意外と混同しやすいところです。
「かつお節」は、カツオを煮熟したあと、燻して乾燥させるなどの工程を経て作られる食品です。
一方、「削り節」は、かつお節などの節を薄く削ったものを指します。
簡単にいえば、
かつお節を削ったものが、削り節。
という関係です。
ただし、削り節にはかつお節だけでなく、さば節や宗田節などを原料にしたものもあります。
原料によって香りやうま味の特徴が異なるため、料理に合わせて使い分けると、味わいの違いを楽しめます。
なぜ、かつお節を削ると香りが広がるの?
削り節の魅力のひとつが、袋を開けた瞬間に感じる香りです。
かつお節を薄く削ることで表面積が大きくなり、香りを感じやすくなります。
特に削りたてのかつお節は、ふわっと香りが立ちやすく、温かい料理にのせると、その香りをより楽しめます。
だしを取るときだけでなく、料理の仕上げに削り節をのせるだけでも、香りが加わって食欲をそそります。
削り節の「うま味」を支える成分
かつお節のうま味を語るうえで欠かせないのが、イノシン酸です。
イノシン酸は、かつお節などに含まれる代表的なうま味成分のひとつです。
日本のだし文化では、昆布に含まれるグルタミン酸などと組み合わせることで、うま味をより豊かに感じられます。
例えば昆布とかつお節を組み合わせた「合わせだし」は、和食で親しまれてきた代表的な組み合わせです。
「だしを取ると料理がおいしくなる」のは、単純に味を濃くするのではなく、うま味によって料理全体の味わいに厚みを加えるためです。
かつお節は、なぜあんなに硬い?
かつお節を実際に手に取ったことがある人なら、その硬さに驚いたことがあるかもしれません。
かつお節は、カツオを加工したあと、煮熟や焙乾などの工程を経て水分を減らし、保存性を高めていきます。
さらに伝統的な製法では、表面にカビを付けて熟成させる「枯節」なども作られます。
こうした工程を重ねることで、生のカツオとはまったく異なる、非常に硬く乾燥した食品になります。
そして、その硬い節を専用の削り器で薄く削ることで、料理に使いやすい削り節になります。
「花かつお」は花の形をしているわけではない?
「花かつお」という名前も、削り節を知るうえで面白いポイントです。
花かつおは、薄く大きめに削ったかつお節のことで、削った形が花びらのように見えることから、この名前で呼ばれています。
袋を開けると、軽くて薄い削り節がふわふわと重なっています。
温かいご飯や冷奴の上にのせると、料理の上に花が咲いたように見えるのも魅力です。
削り節は「だし」だけではない
削り節というと、「だしを取るもの」というイメージが強いかもしれません。
しかし、実際にはさまざまな料理に活用できます。
冷奴
豆腐に削り節をのせ、しょうゆを少しかけるだけ。
シンプルだからこそ、削り節の香りとうま味を感じやすい組み合わせです。
おひたし
ほうれん草や小松菜などに削り節を合わせると、野菜の味を引き立ててくれます。
お好み焼き
仕上げに削り節を振りかければ、熱で削り節がふわふわと動きます。
香りも加わり、お好み焼きらしい仕上がりになります。
焼きそば
ソースの濃厚な味わいに削り節の香りとうま味を加えることで、味に奥行きが生まれます。
おにぎり
しょうゆなどで味付けした削り節をご飯に混ぜれば、手軽なおにぎりの具にもなります。
削り節は「薄いほど良い」とは限らない
削り節には、削り方によってさまざまなタイプがあります。
薄く削ったものは香りが広がりやすく、だしを取る用途にも使いやすい一方、厚めに削ったものはしっかりとした味わいを出したい料理に向いています。
また、原料によっても特徴が変わります。
かつお節は、香りとうま味のバランス。
さば節は、濃厚で力強いだし。
宗田節は、コクのあるだし。
というように、それぞれに個性があります。
料理によって使い分けてみると、「削り節」とひとまとめにしていたものの違いが見えてきます。
削り節をおいしく使う小さなコツ
削り節は、香りを楽しむ食品でもあります。
そのため、開封後はできるだけ密閉して保存し、香りが弱くなる前に使うことが大切です。
また、料理の仕上げに使う場合は、最後に加えることで、削り節らしい香りを楽しみやすくなります。
「だしを取る」と「料理に振りかける」では、同じ削り節でも感じ方が変わるのも面白いところです。
削り節は、日本料理の「見えない土台」
日本料理では、だしが料理の土台として重要な役割を果たしてきました。
味噌汁、煮物、そば、うどん、茶碗蒸しなど、さまざまな料理にだしが使われています。
その中で、かつお節や削り節は、香りとうま味の両方を加える存在です。
料理そのものが主役で、だしは目立たない存在。
それでも、だしが変わると料理の印象が変わります。
削り節は、そんな「目立たないけれど料理を支えている存在」の代表ともいえるでしょう。
毎月24日は、削り節の香りを楽しんでみよう
毎月24日の「削り節の日」は、身近な削り節に改めて目を向けるきっかけです。
そして11月24日は、「いい(11)ふ(2)し(4)」という語呂合わせから生まれた「削り節の日(鰹節の日)」。
一年を通して削り節に親しむ機会があるのは、それだけ日本の食卓と削り節が深く結びついているからなのかもしれません。
冷奴にひとつまみ。
おひたしにひとつまみ。
味噌汁のだしに。
あるいは炊きたてのご飯にのせて。
毎月24日には、いつもの料理に削り節を加えて、その香りとうま味を改めて味わってみてはいかがでしょうか。
読者へのメッセージ
削り節は、袋の中に入っている薄い食品というだけではありません。
魚を加工し、乾燥させ、節に仕上げ、さらに削ることで、料理に香りとうま味を届けてくれます。
普段は料理の脇役に見える削り節ですが、ひと口味わってみれば、その存在感に気づくはずです。
毎月24日は「削り節の日」。
そして11月24日は「いい節」と読むことができる「削り節の日(鰹節の日)」です。
この二つの記念日をきっかけに、いつもの味噌汁や冷奴、おひたしに使う削り節を少しだけ意識してみる。
そんな小さな楽しみから、日本のだし文化と削り節の奥深さを感じてみるのもよいかもしれません。
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