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9月24日は「世界ゴリラの日」―人類の未来とつながるゴリラ保護の物語

イソメトリックアート風に描かれた筋肉質で強そうなゴリラが横長構図で立っているイラスト

世界ゴリラの日とは?

「世界ゴリラの日(World Gorilla Day)」は、毎年9月24日 に制定された国際的な記念日です。
その起源は1967年9月24日、アメリカの動物学者 ダイアン・フォッシー(Dian Fossey) がルワンダに「カリソケ研究センター」を設立した日に遡ります。彼女は生涯をかけてゴリラの研究と保護に取り組み、その功績は現在のゴリラ保全活動の礎となりました。

この日は単なる動物愛護の日ではなく、人類と自然の共生を問い直す国際的なシンボルデー でもあります。


ゴリラが直面する課題

ゴリラは IUCN(国際自然保護連合)レッドリスト において絶滅危惧種に指定されています。
その理由は主に以下の3つです:

  1. 森林破壊
    アフリカの熱帯林伐採によって、ゴリラの生息地が急速に失われています。

  2. 密猟
    肉や伝統的な薬、違法ペット目的での狩猟が今も続いています。

  3. 感染症リスク
    人間からゴリラへ、逆にゴリラから人間へと病気が伝染するリスクが高まりつつあります。

こうした背景のもと、「世界ゴリラの日」は保護活動の必要性を世界に訴えかける重要な日なのです。


保護活動の成果と希望

かつて「絶滅寸前」と言われた マウンテンゴリラ は、20世紀後半に250頭程度まで激減しました。
しかし、国際的な保護活動や地域住民を巻き込んだ エコツーリズム の推進により、現在は 1,000頭以上 にまで回復しています。

この回復劇は、国際社会が協力すれば野生動物を救えるという希望の象徴であり、「世界ゴリラの日」が持つ大きな意義を裏付けています。


ゴリラと人間の不思議な共通点

  • DNAの約98%を人類と共有

  • 子どもを抱きしめ、仲間を思いやる社会的な行動

  • 胸を叩く「ドラミング」が威嚇だけでなく、仲間への合図としても使われる

こうした特徴は、ゴリラが単なる「野生動物」ではなく、人類の近縁種として共感できる存在 であることを示しています。


世界ゴリラの日の意義

この記念日の本当の目的は、単に「ゴリラを守ろう」というスローガンにとどまりません。

  • 地球環境全体の保護を考えるきっかけ

  • 人類と自然との共生の未来を描く指標

  • 地域社会への経済的・教育的貢献

つまり「世界ゴリラの日」は、ゴリラを通して 持続可能な社会を築くための意識改革を促す日 なのです。


読者へのメッセージ

9月24日の「世界ゴリラの日」は、決して遠いアフリカだけの話ではありません。
私たちの選択や行動が、ゴリラたちの未来、そして地球そのものの未来を左右しています。

例えば、森林破壊につながる消費を見直すことや、環境にやさしい商品を選ぶこと。あるいは保護団体の活動に少しでも関心を寄せること。それだけでも大きな一歩となります。

ゴリラは人間とDNAの98%を分かち合う「遠い親戚」のような存在です。彼らの生きる森を守ることは、私たち人類の暮らしを守ることにつながります。

どうかこの日をきっかけに、「自然とともに生きる」という意識を少しでも心に持ってみてください。
あなたの一つの行動が、未来のゴリラと人類を救う力になるのです。

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