スキップしてメイン コンテンツに移動

9月7日「絶滅危惧種の日」|地球の宝を守るために知っておきたいこと

横長の水彩画で描かれたタスマニアタイガー(フクロオオカミ)。黄褐色の体に背中の縞模様が特徴的で、柔らかな背景に立つ姿が表現されている。

絶滅危惧種の日の由来

9月7日は「絶滅危惧種の日」です。この記念日の起源は、1936年(昭和11年)9月7日にさかのぼります。オーストラリア・タスマニア州のホバート動物園で飼育されていたフクロオオカミの最後の一頭、「ベンジャミン(Benjamin)」が死亡し、フクロオオカミが絶滅したことに由来しています。人類の活動によって失われたこの種は、自然界の脆さと私たちの責任を象徴しています。そして、絶滅危惧種に対する理解と保護意識を深めるため、フクロオオカミの絶滅から60年後の1996年(平成8年)にこの記念日が正式に制定されました。


絶滅危惧種とは

絶滅危惧種とは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに基づき、個体数の急激な減少や生息環境の喪失により、将来的に絶滅するリスクが高いと判断された動植物を指します。レッドリストでは「絶滅危惧IA類」「絶滅危惧IB類」「絶滅危惧II類」「準絶滅危惧」といったカテゴリーで分類され、科学的根拠に基づき保護の優先度を決定します。これは保護活動や教育の指針としても重要です。


日本における絶滅危惧種の例

日本でも、ニホンカワウソやヤンバルクイナ、トキなど、多くの生物が絶滅の危機にあります。特にトキは、一度野生で絶滅しましたが、人工繁殖と再導入プログラムにより、再び自然界での繁殖が確認されています。この成功例は、私たちの努力次第で絶滅の危機から救える生物が存在することを示しています。


絶滅危惧種の日の活動

絶滅危惧種の日は、動物園や水族館での展示やイベント、学校教育、地域の保護団体の活動などを通じて、社会全体に生物多様性の重要性を伝える日でもあります。種の絶滅は生態系のバランスを崩し、人間社会にも影響を及ぼす可能性があるため、啓発活動は非常に重要です。


私たちにできること

地球の未来を守るためにできることは、決して難しいことばかりではありません。日常生活での環境配慮、保護団体への支援、SNSでの情報発信など、小さな行動でも生態系全体に大きな影響を与えます。絶滅危惧種の日をきっかけに、自然との共生を考え、行動することが大切です。


読者へのメッセージ

9月7日、絶滅危惧種の日を通して、私たちの身近な自然や生き物について考えてみませんか?絶滅危惧種を守ることは、未来の地球を守ることでもあります。今日できる小さな行動が、未来の生態系を守る大きな一歩となります。私たち一人ひとりの意識と行動が、地球という大きな家を守る力になるのです。

コメント

このブログの人気の投稿

聖バルボラ教会 ― チェコ共和国の歴史都市 クトゥナ・ホラが誇る銀の都の象徴

チェコ共和国の歴史都市 クトゥナ・ホラ 。プラハから東へ約70kmに位置するこの町は、中世ヨーロッパで屈指の銀鉱山を有し、その繁栄によって「ボヘミアの宝石」と称されました。その中心的存在として今なお圧倒的な存在感を放つのが、ユネスコ世界遺産にも登録されている 聖バルボラ教会(Chrám svaté Barbory) です。 鉱山労働者の守護聖人に捧げられた教会 聖バルボラは「鉱山労働者の守護聖人」として知られ、銀鉱山で栄えたクトゥナ・ホラの信仰の中心となりました。教会の建立は1388年、町の人々が神への感謝と富の象徴として着手したものです。当時、銀の採掘で経済的に強大な力を持ったこの町は、プラハに匹敵するほどの影響力を誇りました。 500年かけて完成した壮大な建築 聖バルボラ教会の建設は、戦争や経済的停滞によって幾度も中断され、最終的に完成したのは20世紀初頭。実に 約500年 にわたる長い時間をかけて造られたため、内部にはゴシック様式だけでなく、ルネサンスやバロックの要素も見られるのが特徴です。これは建築史的にも貴重な事例であり、時代を超えて融合した芸術の結晶といえます。 ゴシック建築でも稀な屋根のデザイン 教会の外観で最も印象的なのは、天幕のように波打つ独特の屋根。鋭い尖塔や石造りのアーチが連なる中世ゴシックの典型に加え、このユニークなデザインは訪れる人の目を奪います。建築家の創造力と当時の技術の粋を集めた象徴的な意匠です。 鉱山都市の姿を描いた壁画 教会内部の壁画には、聖人の物語だけでなく、銀鉱山で働く鉱夫の姿や銀の精錬工程が描かれています。宗教美術に町の経済的基盤が反映されている点は極めて珍しく、クトゥナ・ホラがいかに鉱山都市として誇りを持っていたかを物語ります。 世界遺産としての価値 1995年、聖バルボラ教会はクトゥナ・ホラ歴史地区の一部として ユネスコ世界遺産 に登録されました。その建築美だけでなく、ヨーロッパにおける鉱山都市文化の象徴としての価値が高く評価されています。また、この教会にはプラハ城の 聖ヴィート大聖堂 の建築に携わった建築家たちが関わっており、両者に共通する壮麗な雰囲気を味わえる点も魅力です。 読者へのメッセージ 聖バルボラ教会は、単なる宗教建築ではなく、鉱山都市クトゥナ・ホラの誇りと繁栄、そして人々の信...

6月9日・9月6日 勾玉の日(まがたまの日)──日本古来の神秘を今に伝える日

6月9日と9月6日は「勾玉の日(まがたまの日)」として知られています。まがたま――その独特な勾玉の形は、古代日本の神秘と美意識を今に伝える宝飾品です。この日を通して、日本の文化や歴史、そしてまがたまが持つ神秘的な力を再発見してみましょう。 勾玉とは? 古代から続く神秘の装身具 「まがたま」は、古くから健康を守り、魔除けとなり、幸運を招くとされてきました。翡翠(ヒスイ)、瑪瑙(メノウ)、琥珀(コハク)、鼈甲(ベッコウ)などの天然素材で作られ、丸く膨らんだ玉の部分に穴を開け、紐(ひも)を通して首飾りとして身につけられていました。 縄文時代から古墳時代にかけて、日本人の生活や信仰に深く根付いたまがたまは、単なる装飾品ではなく、魔除けや神への奉納品として重要な意味を持っていました。古代の人々は、まがたまを身につけることで霊力を宿すと考え、権力者や豪族たちは特別な儀式や政治的象徴として用いました。まがたまの中でも特に価値の高い「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」は、現在も皇室の三種の神器の一つとして神事に使われています。 なぜ6月9日・9月6日なのか? 勾玉の日(まがたまの日)は、島根県松江市に本部を置き、出雲型勾玉を皇室や出雲大社に献上している株式会社めのやが制定しました。日付は、数字の「6」と「9」の形が勾玉の曲線に似ていることから、この二つの数字を組み合わせた6月9日と9月6日が選ばれました。この記念日は、一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。数字の形とまがたまの曲線がリンクしている、遊び心のある記念日です。 古代から現代へ──まがたまの役割と魅力 1. 魔除け・護符としての力 縄文時代、まがたまは身につけることで邪気を払う力を持つとされ、魔除けの護符として利用されました。その形状や素材には、自然界のエネルギーを取り入れる意味も込められていました。 2. 権威の象徴 古墳時代には、まがたまは豪族や支配者の権威を示す重要な装飾品となりました。特に翡翠で作られた勾玉は希少価値が高く、祭祀や外交の場で贈答品としても重宝されました。 3. 現代のアクセサリー 現代では、まがたまはアクセサリーやパワーストーンとしても人気です。その美しい曲線と独特の光沢は、古代から受け継がれる日本文化の象徴として、人々に愛されています。勾玉の日(まがたま...

ナミブ=ナウクルフト国立公園:世界最古の砂漠が語る地球の記憶

アフリカ南西部、ナミビアに位置する「ナミブ=ナウクルフト国立公園」は、広大な自然がそのままの姿で残る“地球最後の秘境”とも呼ばれる場所です。面積は約49,800平方キロメートル、日本の四国と九州を合わせたほどの規模を誇り、アフリカ大陸でも最大級の国立公園に数えられます。ここには、数千万年という気が遠くなるような時間が刻まれており、訪れる人々は壮大な自然のスケールと神秘に圧倒されます。 世界最古の砂漠「ナミブ砂漠」 ナミブ砂漠は、推定で5,500万年以上の歴史を持つ世界最古の砂漠です。砂丘の高さは場所によっては300メートルを超え、朝焼けや夕暮れに赤褐色の砂が黄金色へと変化する様子は、息をのむほど美しい光景です。特に「デューン45」や「ビッグダディ」と呼ばれる巨大砂丘は、世界中の写真家が夢見る撮影スポットとして有名です。 乾いた大地の奇跡「デッドフレイ」 公園内でもひときわ異彩を放つのが「デッドフレイ(Dead Vlei)」です。約900年前、川の流れが砂丘に遮られた結果、水が完全に干上がり、ラクダアカシアの木々が立ち枯れたまま取り残されました。強烈な乾燥により分解されることなく、黒く焼け焦げたような木々が白い大地に点在する光景は、まるで異世界の絵画のようで、訪れる人々を圧倒します。 生命の神秘「ウェルウィッチア」 ナミブ砂漠には、この地でしか見ることのできない「ウェルウィッチア」という特異な植物が存在します。わずか二枚の葉を数千年にわたって伸ばし続け、霧や大気中の水分を利用して生き延びる驚異の生命力を持っています。その寿命は2,000年から3,000年ともいわれ、人類の歴史をはるかに超えるスケールで生き続けるその姿は、地球の神秘そのものです。 過酷な環境に生きる動物たち 一見すると無生物の世界に思える砂漠ですが、実際には多彩な生態系が息づいています。オリックスやスプリングボックといった草食動物、さらにはヒョウやハイエナなどの捕食者も存在します。さらに、大西洋に面したスケルトン・コーストにはアザラシの大群が暮らしており、砂漠と海が交錯する独自の生態系を形成しています。 なぜ訪れるべきか? ナミブ=ナウクルフト国立公園は、単なる観光地ではなく「地球の記憶」が凝縮された場所です。何千万年も変わらない景観と、極限の環境に適応した生命の営みを目の当たりにす...