毎月30日は「みその日」です。
味噌汁や味噌煮、味噌炒めなど、日本の食卓で幅広く使われている味噌。大豆を主な原料とする発酵食品であり、地域によって色や香り、甘み、塩味などに違いがあります。
普段は何気なく使っている味噌ですが、原料や製法によって味わいが変わることをご存じでしょうか。また、味噌の色が違う理由や、味噌汁に入れるタイミングにも、知っておきたい工夫があります。
みその日はなぜ毎月30日?
「みその日」は、味噌に親しみ、そのおいしさや魅力を知ってもらうことを目的に、1982年(昭和57年)に全国味噌工業協同組合連合会が制定した記念日です。
制定当時は、食生活の洋風化や外食の増加などを背景に、味噌の消費量が減少する傾向が見られました。そこで、味噌のおいしさや価値を改めて知ってもらい、消費の減少に歯止めをかけることを目的として、この記念日が設けられました。
日付の由来は、30日を「みそか」と読むこと。月の終わりを意味する「晦日(みそか)」と「みそ」の語呂合わせから、毎月30日が選ばれました。
なお、2月のように30日がない月もありますが、記念日としては毎月30日とされています。
味噌は、日本の食文化に深く根付いた食品です。「みその日」をきっかけに、普段の食事で味噌を使う機会を見直し、その豊かな味わいや魅力を再発見してみるのもよいでしょう。
味噌は原料によって味わいが変わる
味噌は、大豆に麹と塩を加えて発酵・熟成させてつくる食品です。麹に使う原料などによって、代表的な種類に分けられます。
米味噌:米麹を使った味噌。日本で広くつくられており、甘口から辛口まで幅広い味わいがあります。
麦味噌:麦麹を使った味噌。麦の香りが感じられ、九州や四国などで親しまれています。
豆味噌:大豆を主原料とする豆麹を使った味噌。濃厚なうま味と独特の風味が特徴で、愛知県など東海地方でよく知られています。
調合味噌:米味噌と豆味噌など、異なる種類の味噌を合わせたものや、複数の麹を使ってつくられたものです。
同じ味噌でも、原料や製法によって味わいが大きく異なります。味噌汁には米味噌、豚汁には麦味噌、濃厚な味付けには豆味噌というように、料理に合わせて使い分ける楽しみもあります。
味噌の色はなぜ違う?
味噌売り場には、白っぽいものから黄色みのあるもの、赤褐色のものまで、さまざまな色の味噌が並んでいます。
この違いには、大豆などの原料、加熱処理、麹の種類、発酵・熟成の期間などが関係しています。
味噌の熟成中には、原料に含まれるアミノ酸と糖が反応して褐色の色素が生まれます。この反応は「メイラード反応」と呼ばれ、味噌の色や香り、風味の形成に関わっています。
一般に、熟成が進むにつれて色が濃くなる傾向がありますが、白味噌のように短い熟成期間や原料の処理方法などによって淡い色に仕上げられるものもあります。
つまり、色の違いは単に味噌の新旧を表すものではありません。色だけで味の良し悪しを判断せず、それぞれの味噌が持つ特徴を楽しむことが大切です。
味噌づくりを支える微生物の働き
味噌のおいしさを生み出すうえで、欠かせないのが麹菌や酵母などの微生物です。
麹菌がつくり出す酵素は、大豆のたんぱく質を分解してアミノ酸などを生み出し、味噌のうま味につながります。また、米や麦に含まれるでんぷんが分解されることで糖が生まれ、味わいに甘みやまろやかさが加わります。
さらに、発酵・熟成の過程では酵母なども働き、味噌特有の香りが形づくられていきます。
ただし、味噌の種類によって原料や製法、微生物の働き方は異なります。こうした複数の働きが重なり合うことで、味噌ならではの複雑な味わいが生まれるのです。
味噌汁はなぜ最後に味噌を溶き入れるの?
味噌汁をつくるとき、だしや具材を煮たあとに味噌を溶き入れるのが一般的です。
その理由の一つは、味噌の香りを生かすためです。味噌に含まれる香り成分には熱によって失われやすいものがあるため、長時間ぐつぐつと煮続けると、風味が弱くなることがあります。
そのため、具材に火が通ってから火を弱め、味噌を溶き入れると、味噌本来の香りを楽しみやすくなります。
ただし、味噌を入れたあとに加熱してはいけないわけではありません。具材に火が通っていない場合などは、必要に応じて加熱しましょう。味噌を加えたあとは、風味を保つために必要以上に煮立てないことがポイントです。
また、味噌には塩分が含まれているため、だしや具材のうま味を生かしながら、少しずつ溶き入れて味を調整するとよいでしょう。
味噌は保存方法にも気を配りたい発酵食品
味噌は保存性の高い食品ですが、開封後は風味を保つために適切に保存することが大切です。
一般的には、商品の表示に従って保存し、開封後は冷蔵庫で保管すると、品質の変化を抑えやすくなります。長期間保存する場合は、冷凍保存できる商品もあります。
味噌は塩分を含み、冷凍しても一般的な家庭用冷凍庫では完全に凍りにくいため、必要な分を取り出して使いやすいという利点もあります。ただし、保存期間や状態は製品によって異なるため、パッケージの表示を確認しましょう。
また、味噌の表面が空気に触れると、色や香りが変化しやすくなります。使用後は表面を平らに整え、ラップなどを密着させてからふたを閉めると、空気に触れる部分を減らせます。
味噌は発酵食品だからといって、どのような状態でも食べられるわけではありません。見慣れないカビや異臭など、異常がある場合は食べるのを避けましょう。
読者へのメッセージ
味噌は、毎日の食事に取り入れやすい、日本の食文化を代表する発酵食品の一つです。
米味噌、麦味噌、豆味噌など、原料や製法によって異なる味わいがあり、熟成の過程では微生物の働きによって、うま味や香りが生まれます。いつもの味噌汁も、味噌の種類を変えるだけで、違ったおいしさに出会えるかもしれません。
毎月30日の「みその日」には、普段使っている味噌の原料や産地を確認したり、いつもとは違う種類の味噌を試したりしてみてはいかがでしょうか。
食生活が多様化した現代だからこそ、昔から親しまれてきた味噌のよさを見直すことにも意味があります。身近な食材について少し知るだけでも、毎日の食事はより興味深いものになります。味噌の豊かな風味を楽しみながら、日本の食文化に目を向けてみましょう。
関連記事
- 初恋の日(10月30日)
- みその日(毎月30日)

コメント
コメントを投稿