10月6日は「石油の日」です。
車を走らせるガソリン、冬の暖房に使われる灯油、工場や物流を支える燃料など、石油は私たちの生活とさまざまなところでつながっています。
さらに石油は、燃料として使われるだけではありません。プラスチックや合成繊維、化学製品など、身の回りにある多くの製品の原料にも利用されています。
そんな石油の重要性や、石油を販売するガソリンスタンド(サービスステーション=SS)の社会的な役割を改めて考えるきっかけとして制定されたのが「石油の日」です。
石油の日はなぜ10月6日?
「石油の日」が10月6日なのには、二つの理由があります。
一つ目は、数字の「106」を「1=イ、0=オ、6=ル」と見立て、並べ替えると「オイル」になること。
つまり、
10・6 → 1・0・6 → イ・オ・ル → オイル
という語呂合わせです。
そして、もう一つの理由が1973年10月6日に始まった第一次オイルショックです。
この記念日は、石油エネルギー業界を取材し、日刊紙を発行する株式会社燃料油脂新聞社によって制定されました。2017年には一般社団法人日本記念日協会に認定・登録されています。
単なる語呂合わせではなく、過去の出来事を振り返りながら、石油の重要性を考える日になっているところが特徴です。
1973年、世界を揺るがした第一次オイルショック
1973年10月6日、中東で第四次中東戦争が始まりました。
その後、アラブ産油国による石油供給をめぐる動きなどから原油価格が大きく上昇し、世界経済に大きな影響を与えます。
これが第一次オイルショックです。
当時の日本は、エネルギー供給を石油に大きく依存していました。
資源エネルギー庁によると、1973年度の日本の一次エネルギー供給に占める石油の割合は**75.5%**でした。
石油の供給が世界情勢によって大きく揺らぐと、日本の経済や人々の暮らしにも影響が及びます。
石油製品が不足するのではないかという不安から、トイレットペーパーなどの買いだめ騒動が起こったことも、オイルショックを象徴する出来事として知られています。
オイルショックで日本のエネルギー事情は変わった
第一次、第二次オイルショックを経験した日本では、その後、石油への依存度を下げる取り組みが進められました。
天然ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギーなど、エネルギー源を多様化する方向へ進んだのです。
その結果、一次エネルギー供給に占める石油の割合は、1973年度の75.5%から、2024年度には34.8%まで低下しています。
それでも石油は、現在も日本のエネルギー供給の大きな部分を占めています。
2024年度の一次エネルギー供給では、石油が34.8%を占めています。つまり、石油への依存度は大きく下がったものの、石油が社会からなくなったわけではありません。
石油は「燃料」だけではない
石油と聞くと、ガソリンスタンドや自動車を思い浮かべる人が多いかもしれません。
しかし、石油の用途はそれだけではありません。
例えば、
ガソリンや軽油
灯油
航空燃料
船舶用燃料
潤滑油
アスファルト
プラスチックの原料
合成繊維などの化学製品の原料
など、さまざまな場所で石油由来の製品が使われています。
そのため、石油の供給が不安定になるということは、単純に「ガソリンが手に入りにくくなる」というだけではありません。
物流、製造、農業、建設など、幅広い産業にも影響する可能性があります。
石油の日は、こうした「見えにくいところで石油が使われている」という事実にも目を向けるきっかけになります。
日本の石油はどこから来る?
日本は石油資源に恵まれた国ではありません。
原油のほとんどを海外から輸入しており、2023年度の原油輸入に占める中東地域の割合は94.7%でした。
サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カタールなどから原油を輸入しています。
つまり、私たちがガソリンスタンドで給油するとき、その燃料の背景には、日本から遠く離れた産油国や海上輸送、石油精製など、さまざまな仕組みがあります。
普段は意識することのない「石油が届くまでの道のり」も、石油の日に考えてみたいポイントです。
ガソリンスタンドは「給油する場所」だけではない
石油の日が、ガソリンスタンドの社会的な役割にも注目していることをご存じでしょうか。
ガソリンスタンドは、正式にはサービスステーション(SS)とも呼ばれます。
もちろん、自動車への給油が中心ですが、地域の生活を支える場所としての役割もあります。
特に災害などによって電気や物流に影響が出た場合、燃料の確保は自動車や緊急車両、物流などに関わる重要な問題になります。
石油の日が「石油そのもの」だけでなく「石油販売拠点であるSSの社会的意義」を再認識することを目的としているのも、こうした背景があります。
日本には石油を備蓄する仕組みもある
海外からの輸入に大きく依存する日本では、石油の安定供給を守るための備蓄制度も整えられています。
石油備蓄は、国が保有する「国家備蓄」、石油精製業者などが保有する「民間備蓄」、そして産油国との協力による「産油国共同備蓄」の三つで構成されています。
資源エネルギー庁によると、2026年2月時点では約8か月分の石油備蓄が行われています。
普段は見えないところでも、石油を安定して使えるようにするための仕組みが用意されているのです。
石油の日に考えたい「エネルギーのこれから」
現在は、再生可能エネルギーや電気自動車など、新しいエネルギーの利用も広がっています。
一方で、石油は現在も燃料や化学製品の原料として幅広く利用されています。
そのため「石油を使うか、使わないか」という単純な話だけではなく、
どのエネルギーを、どのように組み合わせて、安定して使っていくのか。
という視点が重要になっています。
石油をめぐっては、資源の確保だけでなく、国際情勢、輸送、価格、環境問題、エネルギー安全保障など、さまざまな問題が関係しています。
石油の日は、そうした複雑なテーマを身近な暮らしから考えるきっかけにもなる記念日です。
読者へのメッセージ
石油は、ガソリンや灯油のように目に見える形で使われるだけでなく、私たちが普段何気なく使っているさまざまな製品や、物を運ぶ物流などにも関わっています。
だからこそ、石油の日には「石油を使っている」という事実だけでなく、当たり前のように続いている毎日の暮らしが、多くのエネルギーによって支えられていることに目を向けてみるのもよいでしょう。
10月6日は、オイルショックの歴史を振り返るとともに、普段は意識することの少ないエネルギーについて考えてみる日。
いつもの給油や買い物の中にも、社会を支えるエネルギーとのつながりがあります。石油の日をきっかけに、私たちの暮らしとエネルギーの関係を少し身近に感じてみてはいかがでしょうか。
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