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【7月14日・サメ啓発の日】──“恐怖”から“共生”へ。いま知るべき海の守護者たち

透き通った海の中を優雅に泳ぐヨシキリザメ(青ザメ)のAI画像。白い砂地と青い海水が広がる美しい海中風景。

「ジョーズ」「人喰いザメ」——そんな言葉で知られてきた“サメ”。

けれど本当に彼らは、恐れるべき存在なのでしょうか?

7月14日「サメ啓発の日(Shark Awareness Day)」は、私たちの中に根付いた“サメに対する誤解”を正し、彼らの驚くべき生態と海の生態系における重要な役割を再認識するための国際的な啓発デーです。

この記事では、**サメの本当の姿と、私たちが今知っておくべき「海の未来」**について深掘りしていきます。


サメ啓発の日とは何か?

「Shark Awareness Day」は、正式な国連の記念日ではありませんが、世界中の海洋環境団体や研究機関が協力し合い、サメの保護を呼びかける日として認知が広がっています。

この日には、水族館や科学館、学校などで以下のようなイベントが開催されます:

  • サメに関する科学的講演会

  • 子ども向けの生態クイズやワークショップ

  • サメの保護に関する署名活動や展示

目的はただ一つ。
「サメ=危険」という偏ったイメージから脱却し、科学的知見をもとに、サメと海洋環境のつながりを正しく理解してもらうことです。


実は危険じゃない?サメにまつわる誤解と現実

ハリウッド映画の影響もあり、「サメは人間を襲う生物」と信じている人も少なくありません。
しかし、実際にサメによる人間への致命的な攻撃は、全世界で年間10件以下。これは雷に打たれて亡くなる人の数よりも少ない数字です。

一方で、人間は年間およそ1億匹のサメを殺しているとも推定されています。その大半は「フカヒレ」や「サメ革」などの商業目的。また、マグロやカツオを捕獲する際に誤って混獲される「バイキャッチ」も原因です。

つまり、真に脅威にさらされているのは私たちではなく、サメのほうなのです。


サメは“海のキーストーン種”

サメは、海の食物連鎖の頂点に立つ**キーストーン種(生態系のバランスを保つ重要種)**と呼ばれています。
彼らがいることで、海の中のさまざまな種の数や行動が調整され、健全な生態系が維持されるのです。

たとえば:

  • 弱った魚や病気の個体を捕食することで、魚群全体の健康を保つ

  • 草食性の海洋生物(ウミガメなど)の過剰増加を抑えることで、海草藻場やサンゴ礁の破壊を防ぐ

  • 漁業資源の持続可能性を陰で支えている

サメがいなくなった海では、生態系が崩れ、最終的には人間の生活にも悪影響が及ぶことになります。


世界と日本、それぞれの取り組み

欧米諸国では近年、以下のような保護対策が進んでいます:

  • フカヒレの輸入・販売の禁止(アメリカ、カナダ、イギリスなど)

  • サメ保護区の指定と漁業制限(オーストラリア、フィジー)

  • 教育カリキュラムへの組み込み

日本でも一部の漁業者や研究者によって「持続可能な漁業」が模索されつつあり、水族館や研究機関では子どもたち向けのサメ教育プログラムも実施されています。

しかし、サメ肉やフカヒレの消費が根強い文化として残る日本では、より本質的な議論や社会的理解がまだ発展途上です。


なぜ今、「サメ啓発」が必要なのか?

気候変動、海洋汚染、乱獲——これらが複合的に影響し、地球の海は今、過去最大の危機に直面しています。

サメは、こうした変化に対して**“海の健康のバロメーター”**ともいえる存在。
彼らの数や動きが、海全体の変調を映し出しているのです。

もしサメが絶滅してしまったら——
それは単に「一つの生物種が消える」だけでなく、人類の食糧資源、生態系、経済、文化、すべてに大きな影響を及ぼす可能性があります。


読者へのメッセージ

7月14日の「サメ啓発の日」は、決して“自然保護マニア”だけのものではありません。
これは、すべての人が“海と共に生きる”という未来を考えるための扉です。

スマートフォン一つで、サメの生態を学ぶ。
買い物の時に「フカヒレ」の裏側に目を向けてみる。
水族館で、子どもに「なぜサメは必要なんだろうね?」と問いかけてみる。

その小さな一歩こそが、未来の海を守る“波紋”となるのです。

海の守護者であるサメと共に、美しい海の未来を考える1日になりますように。

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