その一歩が未来を変える。6月5日に世界中が環境を考える理由
6月5日は「世界環境デー(World Environment Day)」、そして日本では「環境の日」です。
環境問題と聞くと、地球温暖化や異常気象、海洋プラスチックごみ、生物多様性の減少など、大きくて難しいテーマを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし実は、環境問題は遠い国の話でも、専門家だけが考える問題でもありません。
朝起きて電気をつけること。
水道を使うこと。
コンビニで買い物をすること。
車や電車で移動すること。
私たちの日常のあらゆる行動は、地球環境とつながっています。
だからこそ世界中の人々が同じ日に環境について考え、行動するきっかけとして設けられたのが「世界環境デー」です。
この記念日には、人類の未来を大きく変えた歴史的な出来事が隠されています。
世界環境デーはなぜ生まれたのか?
世界環境デーの始まりは、1972年(昭和47年)6月5日にさかのぼります。
この日、スウェーデンの首都 ストックホルム で「国連人間環境会議」が開催されました。
これは環境問題について世界各国が本格的に話し合った初めての国際会議です。
当時の世界は高度経済成長の真っただ中でした。
工場からの排煙による大気汚染。
河川や海の水質汚染。
森林伐採による自然破壊。
増え続ける廃棄物。
経済発展の裏側で、環境への深刻な影響が各国で問題となっていたのです。
そこで集まった各国代表は、人類が健康で豊かな環境の中で暮らす権利を確認するとともに、その環境を守る責任についても明確に示した「人間環境宣言」を採択しました。
さらに、この会議をきっかけとして環境問題を専門に扱う国連機関である、国連環境計画 が創設されました。
そして、この歴史的な会議の開幕日である6月5日を記念して、国際連合は「世界環境デー」を制定したのです。
半世紀前の警告は、今の私たちにどうつながっている?
1972年当時、世界の人口は約38億人でした。
しかし現在では80億人を超えています。
人口増加とともにエネルギー消費や資源利用も拡大し、環境問題はさらに複雑化しました。
近年では、
地球温暖化による猛暑や豪雨
森林火災の増加
海洋プラスチック問題
食料問題
生物多様性の損失
水資源の不足
などが世界共通の課題となっています。
つまり、50年以上前に開かれた国連人間環境会議での議論は、決して過去の話ではありません。
むしろ今の私たちが向き合っている問題そのものなのです。
日本の「環境の日」とは?
日本では1993年(平成5年)に環境基本法が制定され、その中で6月5日が「環境の日」と定められました。
さらに6月は「環境月間」とされ、全国で環境に関する啓発活動が行われています。
学校での環境学習。
自治体による清掃活動。
企業の省エネルギー推進。
自然保護イベント。
こうした活動はすべて、「持続可能な社会」を実現するための取り組みです。
普段は環境について考える機会が少ない人でも、この日をきっかけに地球との関わりを見直すことができます。
環境雑学① 地球の水の97%は飲めない
地球は「水の惑星」と呼ばれています。
宇宙から見ると美しい青色に輝き、地球表面の約70%が水で覆われています。
しかし意外なことに、その約97%は海水です。
人間が利用できる淡水はわずか約3%。
しかも、その多くは南極や北極の氷、氷河、地下深くの地下水として存在しています。
私たちが普段利用できる河川や湖の水は、地球上の水全体から見るとほんのわずかな量しかありません。
蛇口をひねれば水が出る生活は、世界的に見ると決して当たり前ではないのです。
環境雑学② アルミ缶は「リサイクルの優等生」
飲み終えたアルミ缶。
多くの人が何気なく分別していますが、実は環境保護の優等生と呼ばれています。
アルミニウムは何度再利用しても品質がほとんど劣化しません。
さらに、使用済みアルミ缶から新しいアルミ缶を作る際に必要なエネルギーは、原料から製造する場合と比べて大幅に少なくなります。
つまり、アルミ缶をきちんとリサイクルすることは、資源の節約だけでなく二酸化炭素排出量の削減にもつながるのです。
普段の分別作業も、立派な環境活動の一つといえるでしょう。
環境雑学③ 森林は地球の「天然エアコン」
森林はしばしば「地球の肺」と呼ばれます。
木々は光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を放出します。
それだけではありません。
森林は気温を調整し、水を蓄え、洪水を防ぎ、多くの生き物の住みかにもなっています。
近年、都市部で進むヒートアイランド現象の対策としても緑地の重要性が見直されています。
一本の木には、私たちが想像する以上に多くの役割があるのです。
今日から始められる環境に優しい行動
環境保護は決して特別な人だけが行うものではありません。
実は誰でも今日から始められます。
マイバッグを持参する
レジ袋の使用を減らし、プラスチックごみ削減につながります。
食べ残しを減らす
食品ロス削減は環境負荷の軽減に直結します。
不要な電気を消す
節電はエネルギー消費と二酸化炭素排出量の削減につながります。
マイボトルを活用する
ペットボトルごみの削減に貢献できます。
リサイクルを意識する
資源を循環させることで環境への負担を減らせます。
どれも難しいことではありません。
一人の行動は小さく見えても、多くの人が続ければ大きな力になります。
読者へのメッセージ
私たちは毎日、自然から多くの恩恵を受けています。
きれいな空気。
豊かな水。
安全な食べ物。
四季折々の美しい風景。
しかし、それらは永遠に続くものではありません。
1972年の国連人間環境会議で採択された「人間環境宣言」は、人類には良好な環境の中で生きる権利があると同時に、その環境を未来へ引き継ぐ責任があることを示しました。
半世紀以上が経った今、そのメッセージはますます重要になっています。
環境問題は誰か一人が解決するものではありません。
世界中の人々が少しずつ行動を変えることで、未来は大きく変わります。
6月5日の世界環境デー・環境の日は、地球のために何ができるかを考える日。
そして、「未来の世代へどんな地球を残したいか」を見つめ直す日でもあります。
今日の小さな一歩が、10年後、50年後、100年後の地球を守る大きな力になるかもしれません。
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