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12月18日は「ナボナの日」|ローマの広場と王貞治が育てた国民的洋菓子の物語

ウォーターブラシの水彩タッチで描かれたナボナが白い皿に並び、クリームとジャムの断面が見える横長イラスト

12月18日は「ナボナの日」。

この日は、日本の洋菓子史において特別な存在である「ナボナ」と、その背景にある感動的な物語を振り返る記念日です。ナボナは単なるお菓子ではなく、異国での体験、人の想い、そして時代の象徴が重なって生まれた文化的存在でもあります。


ナボナの日の由来|亀屋万年堂の創業日から生まれた記念日

「ナボナの日」は、老舗菓子店 亀屋万年堂 が創業した1938年(昭和13年)12月18日にちなんで制定されました。
この記念日は、日本記念日協会にも正式に登録されており、長年愛され続けてきた銘菓「ナボナ」の価値と歴史を後世に伝える役割を担っています。


ナボナ誕生のきっかけ|ローマ・ナヴォーナ広場で受けた衝撃

「ナボナ」が誕生したきっかけは、亀屋万年堂の創業者である引地末治が、イタリア・ローマで目にしたお菓子祭りでした。
ナヴォーナ(NAVONA)広場には大勢の市民が集い、子どもたちが思い思いにお菓子を楽しみ、笑顔と歓声があふれていました。

その光景に心を打たれた引地末治は、
「日本の和菓子が持つ繊細な感性を活かしながら、洋菓子のような自由さと楽しさに満ちたお菓子を作れないだろうか」
と強く感じます。

こうして生まれたのが、どら焼きの形をヒントにした洋菓子『ナボナ』でした。
その名は、感動の原点となった
ナヴォーナ広場
にちなみ、「ナボナ」と名付けられたのです。


和と洋を結ぶお菓子|ナボナが持つ独自の魅力

ナボナは、ふんわりと焼き上げたスポンジ生地でクリームをサンドした、軽やかな口当たりが特徴です。
親しみやすい形状は和菓子を思わせつつ、味わいは洋菓子の楽しさに満ちています。

特別な贈答品でありながら、日常のおやつとしても選ばれる――
この絶妙なバランスこそが、ナボナが世代を超えて支持されてきた理由です。


「お菓子のホームラン王」|王貞治選手とナボナ

ナボナを全国的な存在へと押し上げた最大の転機が、
「ナボナはお菓子のホームラン王です」
という名キャッチコピーでした。

この“ホームラン王”として起用されたのが、元巨人軍の王貞治選手です。
当時の王貞治選手は、プロ野球界を代表する国民的スターであり、その圧倒的な実績と信頼感は、日本中に知られていました。

王貞治選手の放つ力強いホームランと、ナボナの「誰からも愛されるお菓子」というイメージが重なり合い、ナボナは一気に国民的洋菓子として認知されるようになります。
このCMは、昭和という時代の記憶とともに、今も多くの人の心に刻まれています。


ナボナの日に思い出したいこと

12月18日の「ナボナの日」は、ただお菓子を味わう日ではありません。
異国の広場で受けた感動、職人の挑戦、そして時代を象徴する人物との出会い――
そうした物語が重なり合って、一つのお菓子が生まれたことを思い出す日です。


読者へのメッセージ

忙しい日々の中で、私たちは「なぜそれが生まれたのか」という背景に触れる機会を忘れがちです。
ナボナの日は、甘いお菓子を通して、人の心を動かす体験が文化として受け継がれていく尊さを思い出させてくれます。
ぜひ12月18日は、ナボナを味わいながら、その物語にも耳を傾けてみてください。

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