11月6日は「いいマムの日」です。
秋が深まるこの季節、花屋の店先には、赤や黄色、ピンク、白、グリーンなど、色とりどりのマムが並びます。丸いボールのような花や、花びらが幾重にも重なった華やかな花など、その姿は実にさまざまです。
マムと聞いても、すぐに花の姿が思い浮かばない人もいるかもしれません。実は、マムは日本で古くから親しまれてきた菊の仲間です。仏花や和風の庭園で見かける菊だけでなく、洋風の花束やおしゃれなインテリアにもよく似合う花として、幅広く楽しまれています。
さらに興味深いのは、日本の菊が海外へ渡り、品種改良によって多彩な姿へと発展し、再び日本の暮らしに広がっていったことです。
今回は、11月6日の「いいマムの日」の由来をはじめ、マムの名前の秘密、個性豊かな花の種類、日本の伝統文化との関係、そして自宅で長く楽しむための飾り方まで詳しく紹介します。
11月6日は「いいマムの日」
「いいマムの日」は、マムの普及とPR活動に取り組む団体「OPTIMUM(オプティマム)」が制定した記念日です。2021年9月9日の重陽の節句に、一般社団法人・日本記念日協会に正式登録されました。
日付は、11月6日を「いい(11)マム(6)」と読む語呂合わせに由来しています。また、11月は菊が美しく咲く季節で、各地で菊花展や菊まつりが開催される時期でもあります。
この記念日には、菊の新しい魅力を知ってもらい、日常のさまざまな場面でマムを楽しんでもらいたいという思いが込められています。
菊は、日本人にとってなじみ深い花でありながら、仏事など特定の場面で目にすることが多い花でもあります。「いいマムの日」は、そうしたイメージにとらわれず、色や形の豊かなマムをもっと自由に楽しむきっかけとなる日です。
11月6日には、いつもの花屋でマムを探したり、普段は選ばない色の花を飾ったりして、花のある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。
マムと菊は何が違う?名前に隠された秘密
マムは、英語で菊を意味する「Mum」という呼び名です。これは、菊の学名「Chrysanthemum(クリサンセマム)」を短くした呼び方に由来します。
つまり、マムは菊とは別の植物というわけではありません。菊の仲間を指す呼び名であり、とりわけ洋風の花束やフラワーアレンジメントで使われる、色や形が豊富な品種などをマムと呼ぶことがあります。
現在のマムには、従来の菊のイメージを覆すような品種が数多くあります。
例えば、花びらが整然と並ぶもの、細長い花びらが放射状に広がるもの、花びらが幾重にも重なって豪華に見えるものなど、同じ菊の仲間でも印象は大きく異なります。
花色も豊富で、純白や黄色といった定番の色に加え、淡いピンク、鮮やかな赤、オレンジ、紫、グリーンなどがそろっています。
花びらの形や色の組み合わせによって、かわいらしくも上品にも、華やかにも落ち着いた雰囲気にも演出できるのがマムの魅力です。
「菊は和風の花」という印象を持っている人ほど、花屋でさまざまなマムを見比べると、新しい発見があるでしょう。
日本の菊が海外で進化し、マムとして広がった歴史
マムの魅力を語るうえで欠かせないのが、日本の菊と海外の関係です。
菊は日本の伝統文化に深く根付いていますが、その美しさは海外でも注目されてきました。
幕末から明治期にかけて、日本の菊は海外へ紹介され、ヨーロッパなどで観賞用植物として人気を集めました。その後、海外でも品種改良が進められ、花の大きさや形、色などに多彩な特徴を持つ菊が生まれていきました。
こうした海外での発展を経て、洋風の花束やアレンジメントに適したマムも広く利用されるようになりました。1980年代には、マムという呼び名とともに、日本でも洋菊が親しまれるようになっていきます。
この歴史は、日本で育まれてきた花が海外で新たな魅力を加えられ、再び日本の花文化に取り入れられた歩みともいえます。
現在、花屋で見かけるカラフルなマムには、長い年月をかけた品種改良や、生産者の工夫が生み出した多様性が詰まっています。
一つひとつの花を眺めながら、その形や色がどのように生まれてきたのかを想像してみるのも、マムの楽しみ方の一つです。
個性豊かなマムの種類とそれぞれの魅力
マムにはさまざまな種類があり、花の形によって飾ったときの印象も変わります。ここでは、花屋で見かけることの多い代表的なタイプを紹介します。
ピンポンマム
ピンポンマムは、花全体が丸いボールのような形をしているのが特徴です。
小さな花びらが密集して球形をつくり、ころんとしたかわいらしい姿を楽しめます。白や黄色、ピンク、グリーンなどの色があり、数本をまとめて飾っても、一輪だけを花瓶に生けても存在感があります。
丸い形を生かして、ほかの花と組み合わせたり、同系色でまとめたりするのもおすすめです。
スプレーマム
スプレーマムは、1本の茎から複数の花が枝分かれして咲くタイプです。
一つの花を主役にするというより、複数の花が集まることで、ふんわりとしたボリューム感を演出できます。花束やアレンジメントにも使いやすく、ほかの花との組み合わせを楽しみたいときに向いています。
花の大きさや形にも違いがあるため、同じスプレーマムでも品種によって印象が変わります。
デコラマム
デコラマムは、花びらが幾重にも重なった、ボリューム感のある花姿が魅力です。
大輪の品種は華やかで、花束の中心に置くと視線を集めるアクセントになります。花びらの重なりが生み出す立体感も美しく、マムの存在感をしっかり楽しみたい人におすすめです。
スパイダー咲きのマム
スパイダー咲きのマムは、細長い花びらが外側へ伸びる、個性的な形が特徴です。
一般的な丸い菊とは違い、繊細で動きのある印象を与えます。シンプルな花瓶に一輪だけ飾っても絵になり、個性的な花を取り入れたいときにもぴったりです。
このように、マムは花の形によって表情が大きく変わります。花屋で選ぶ際は、色だけでなく、花びらの形や全体のシルエットにも注目してみてください。
菊は長寿や健康を願う日本の伝統文化とも関係が深い
菊は、古くから日本の文化や行事と結びついてきた花です。
その代表的なものが、9月9日の「重陽の節句」です。五節句の一つで、「菊の節句」とも呼ばれ、菊を通じて健康や長寿を願う風習が伝えられています。
重陽の節句では、菊の花を観賞したり、菊の花を浮かべた菊酒を楽しんだりする文化がありました。菊は美しい花としてだけでなく、長生きや無病息災への願いを託す存在でもあったのです。
また、菊は皇室の紋章にも用いられ、日本の歴史や伝統を象徴する花の一つとして知られています。秋になると各地で菊花展や菊まつりが開催され、丹精込めて育てられた大輪の菊や、仕立てに工夫を凝らした作品を楽しめます。
こうした文化を知ると、菊は単に季節を彩る花ではなく、長い年月を通じて人々の願いや美意識を映してきた花であることがわかります。
一方、現代のマムは、伝統的な菊の美しさを受け継ぎながら、日常のインテリアや贈り物にも取り入れやすい花として親しまれています。伝統と現代の暮らしがつながっているところも、マムの魅力といえるでしょう。
マムを飾るなら何色がおすすめ?色選びの楽しみ方
マムは花色が豊富なため、飾る場所や好みに合わせて選びやすい花です。
色を選ぶときは、部屋の雰囲気や花瓶の色、合わせる花との組み合わせを意識すると、まとまりのある飾り方ができます。
白のマム: 清潔感があり、すっきりと落ち着いた印象に仕上がります。
黄色やオレンジのマム: 明るく温かみのある雰囲気を演出できます。
ピンクのマム: やさしく華やかな印象で、食卓やリビングにもなじみます。
赤や紫のマム: 深みのある色合いが、空間にアクセントを加えます。
グリーンのマム: 葉物や白い花と合わせると、自然でさわやかな印象になります。
もちろん、色の印象は品種や周囲の色によっても変わります。好きな色を選ぶのはもちろん、普段は選ばない色に挑戦してみるのも楽しみ方の一つです。
例えば、白とグリーンでまとめれば落ち着いた雰囲気に、ピンクと黄色を組み合わせれば明るく親しみやすい雰囲気になります。
たくさんの花を飾らなくても、好みのマムを一輪選ぶだけで、部屋に季節感を取り入れられます。
マムを長く楽しむための切り花のお手入れ
お気に入りのマムを見つけたら、できるだけ長く美しい姿を楽しみたいものです。切り花を飾るときは、少しの手入れを心がけることで、花をより長く楽しみやすくなります。
花瓶に生ける前に茎を切り戻す
マムを花瓶に生ける前に、茎の先を少し切り戻しましょう。切り口を新しくすることで、水を吸い上げやすくなります。
茎の状態に合わせて、清潔なハサミなどを使って切り戻すのがポイントです。
水に浸かる葉を取り除く
花瓶の水に葉が浸かると、水が汚れやすくなります。水に浸かる部分の葉は取り除き、清潔な状態を保ちましょう。
水をこまめに取り替える
花瓶の水は定期的に取り替え、花瓶の内側も洗って清潔に保ちます。切り花用の鮮度保持剤を使う場合は、製品の説明に従って使用してください。
飾る場所にも気を配る
直射日光が長時間当たる場所や、暖房の風が直接当たる場所は避けましょう。室温や環境によって花の持ちは変わりますが、温度変化の少ない場所に飾ると管理しやすくなります。
マムを飾るために、特別な道具をそろえる必要はありません。まずは手持ちの花瓶や小さな容器を使って、気軽に花のある暮らしを始めてみましょう。
読者へのメッセージ
11月6日の「いいマムの日」は、日本で古くから親しまれてきた菊の新しい魅力を発見するきっかけとなる記念日です。
マムには、丸くかわいらしいピンポンマム、花束にボリュームを加えるスプレーマム、華やかなデコラマム、個性的なスパイダー咲きなど、多彩な種類があります。色も形も豊富なので、好みや飾る場所に合わせて選ぶ楽しさがあります。
また、日本の菊が海外へ渡り、品種改良を経て多様なマムへと発展してきた歴史や、重陽の節句に健康や長寿を願ってきた文化も、知っておきたい魅力です。
菊は仏花という印象だけでは語りきれない、奥深い美しさを持っています。花の形や色をじっくり眺めてみると、これまで気づかなかった個性に出会えるかもしれません。
今年の11月6日は、花屋でお気に入りのマムを一輪選んでみませんか。
お気に入りの花を小さな花瓶に飾るだけでも、いつもの部屋に秋らしい彩りが生まれます。「いいマムの日」をきっかけに、身近な花の魅力を再発見し、日々の暮らしに花を取り入れてみてください。
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