スキップしてメイン コンテンツに移動

3月16日「国立公園指定記念日」とは?日本初の国立公園と自然公園制度の歴史

瀬戸内海国立公園の景色をイメージしたウォーターブラシ風イラスト。青く穏やかな海に大小の島々が点在し、遠くに山並みが広がる静かな瀬戸内海の風景。

3月16日は「国立公園指定記念日」

3月16日は**「国立公園指定記念日」**です。
この日は、日本で初めて国立公園が正式に指定されたことを記念する日であり、日本の自然保護の歴史を語るうえで欠かすことのできない重要な日です。

1934年(昭和9年)3月16日、日本で初めて次の3つの国立公園が誕生しました。

  • 瀬戸内海国立公園

  • 雲仙国立公園(現在は雲仙天草国立公園)

  • 霧島国立公園(現在は霧島錦江湾国立公園)

これらの地域は、日本を代表する美しい景観を持つ場所として選ばれました。
当時の日本では、急速な近代化の中で自然環境の保護の重要性が意識され始めており、貴重な自然景観を守りながら国民が親しめる場所として「国立公園制度」が導入されたのです。

つまり、3月16日は日本の自然保護政策の大きな一歩が踏み出された日でもあります。


実は国立公園の準備は1934年より前から始まっていた

国立公園が正式に指定されたのは1934年ですが、その準備はさらに数年前から進められていました。

1931年(昭和6年)、日本で初めて国立公園制度を定めた法律である
国立公園法
が施行されました。

この法律は、現在の
自然公園法
の前身にあたるものです。

そして翌年の1932年(昭和7年)10月8日、この法律に基づいて国立公園の候補地となる12地域が選定されました。

選ばれた地域は次の通りです。

  • 大雪山

  • 阿寒

  • 十和田

  • 日光

  • 富士

  • 日本アルプス

  • 吉野熊野

  • 瀬戸内海

  • 伯耆大山

  • 阿蘇

  • 雲仙

  • 霧島

この出来事を記念して、**10月8日は「国立公園制定記念日」**とされています。

つまり、日本の国立公園は

  1. 候補地の選定(1932年)

  2. 正式指定(1934年)

という段階を経て誕生した制度なのです。


国立公園とはどんな場所なのか

国立公園とは、国が指定し、保護・管理している自然公園のことです。
日本では現在、34か所の国立公園が存在しています。

代表的な国立公園には次のような場所があります。

  • 富士箱根伊豆国立公園

  • 知床国立公園

  • 屋久島国立公園

これらの場所には

  • 火山

  • 原生林

  • 海岸景観

  • 山岳地帯

  • 湖や湿原

など、日本を代表する多様な自然環境が残されています。

また、自然環境を守るために建築や開発には一定の制限が設けられており、自然と人間活動のバランスを保ちながら管理されています。


日本の国立公園は世界的に見ても特徴的

日本の国立公園制度には、世界的に見ても特徴的な点があります。

それは、人が暮らしている地域も公園の中に含まれていることがあるという点です。

海外の国立公園では、人の居住がほとんどない広大な自然を保護するケースが多いですが、日本では

  • 温泉地

  • 農村

  • 観光地

  • 神社や寺院

  • 集落

などが国立公園の区域に含まれていることも珍しくありません。

つまり日本の国立公園は、

  • 自然の保護

  • 観光資源としての活用

  • 地域の生活

この3つを同時に守る仕組みとして運営されています。
これは、人口密度が高い日本ならではの自然保護の形ともいえるでしょう。


日本最大の国立公園はどこ?

日本で最も広い国立公園は北海道にある
大雪山国立公園
です。

面積は約22万ヘクタールにも及び、日本最大の国立公園として知られています。

この地域は「北海道の屋根」とも呼ばれ、雄大な山岳地帯と豊かな自然が広がっています。
また、大雪山は日本で最も早く紅葉が始まる場所としても有名で、毎年多くの登山者や観光客が訪れます。


「自然公園の日」も存在する

日本の自然保護制度は、その後さらに整備されていきます。

1957年(昭和32年)7月21日、現在の自然公園制度の基礎となる
自然公園法
が制定されました。

この法律によって、日本の自然公園は次の3つの種類に分類されることになりました。

  • 国立公園

  • 国定公園

  • 都道府県立自然公園

この法律の制定を記念して、**7月21日は「自然公園の日」**とされています。


日本の自然公園には3つの記念日がある

日本の自然公園制度には、実は次の3つの記念日があります。

3月16日
国立公園指定記念日
(日本で最初の国立公園が正式に指定された日)

10月8日
国立公園制定記念日
(国立公園候補地12か所が選定された日)

7月21日
自然公園の日
(自然公園法が制定された日)

これらの記念日は、日本の自然を守る制度がどのように生まれ、整備され、現在の形になっていったのかを示す歴史の節目ともいえるでしょう。


読者へのメッセージ

日本には、世界に誇ることのできる豊かな自然があります。
雄大な山々、静かな湖、広大な森、火山が生み出す壮大な景観――それらは長い年月をかけて守られてきた貴重な財産です。

国立公園指定記念日は、そうした自然の価値を改めて考える良い機会でもあります。

もし機会があれば、ぜひ日本の国立公園を訪れてみてください。
ただ観光地として見るだけではなく、「守られてきた自然」という視点で景色を眺めてみると、その風景はこれまで以上に特別なものに感じられるはずです。

日本の自然を未来へ残していくために、私たち一人ひとりが自然の大切さを意識することが、何よりも重要なのかもしれません。


関連記事

コメント

このブログの人気の投稿

サントネー(Santenay)|ワインと温泉の歴史が息づくブルゴーニュの村

フランス東部、ブルゴーニュ地方にある**サントネ(Santenay)**は、ワイン好きなら一度は名前を聞いたことがあるかもしれません。 なお、日本語では**「サントネー」「サントネイ」 などと表記されることもあります。この本文では、地名の表記として サントネ(Santenay)**を使用します。 ブドウ畑が広がる丘陵地に、古い石造りの建物や教会が点在するサントネは、華やかな観光都市とはまた違った、ブルゴーニュらしい落ち着いた魅力を持つ村です。 しかも、サントネの魅力はワインだけではありません。 実はここには 温泉の歴史 もあり、さらに村を見下ろす場所には中世の面影を感じさせる建物も残されています。 今回は、そんなサントネを少し違った角度から眺めてみましょう。 サントネはどこにある? サントネは、フランスのブルゴーニュ地方、現在の行政区分では ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏コート=ドール県 に位置しています。 有名なワイン産地である コート・ド・ボーヌ の南端に近く、周辺にはムルソーやポマール、ヴォルネイなど、世界的に知られるワイン産地が並んでいます。 サントネの周囲にもブドウ畑が広がり、丘の斜面を縫うように畑が続く風景は、まさにブルゴーニュらしい景観です。 町を歩いていると、観光地として整えられた華やかさよりも、ワイン造りと暮らしが自然に結びついている土地であることを感じられます。 サントネといえばワイン サントネでまず注目したいのが、もちろんワインです。 サントネでは 赤ワインと白ワインの両方 が造られています。 赤ワインの主要品種はピノ・ノワール、白ワインではシャルドネが中心です。 同じブルゴーニュ地方のワインでも、畑の位置や土壌、斜面の向きなどによって味わいが変化するため、サントネのワインを知ると、ブルゴーニュの「テロワール」という考え方にも興味が湧いてきます。 特に面白いのは、ワインの名前だけではなく、 どの村の、どの畑で造られたのか という土地そのものが重要視されていること。 ブルゴーニュでは、同じブドウ品種を使っていても、畑の違いがワインの個性につながります。 つまり、ワインを飲むことが、その土地の地形や土壌を知ることにもつながるのです。 ワインの村なのに「温泉」がある? サントネの意外な一面が、 温泉地としての歴史 です。 サントネには鉱泉があ...

カディーニ・ディ・ミズリーナ山塊(Cadini di Misurina)|尖塔のような岩峰が連なるドロミーティの絶景

イタリア北部のドロミーティには、三つの巨大な峰で知られるトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードだけでなく、個性的な山々が数多く存在します。 その中でも、ひときわ複雑な姿を見せるのが**カディーニ・ディ・ミズリーナ(Cadini di Misurina)**です。 鋭く切り立った岩峰と深い谷が連なり、見る場所によって表情を変える山塊。 まるで自然が長い時間をかけて削り出した巨大な彫刻のような景観は、ドロミーティの魅力を知るうえでも興味深い存在です。 カディーニ・ディ・ミズリーナとは? カディーニ・ディ・ミズリーナは、イタリア北東部のヴェネト州ベッルーノ県、アウロンツォ・ディ・カドーレ周辺に位置する山群です。 西側にはミズリーナ湖、北側にはトレ・チーメ・ディ・ラヴァレードがあり、ドロミーティを代表する山岳景観に囲まれています。 山群の最高峰は、 チーマ・カディン・ディ・サン・ルカーノ(Cima Cadin di San Lucano)で標高2,839m 。 そのほかにも2,800m前後の峰々が連なっています。 一つの山頂だけを指すのではなく、複数の峰が集まった山群であることが、カディーニ・ディ・ミズリーナの特徴です。 「カディーニ」という名前の由来 「Cadini」という名前には、この山群の地形が反映されています。 カドーレ地方の言葉に由来する「ciadìn」は、 鉢やすり鉢状の窪地、深い谷 などを意味する言葉につながっています。 カディーニ・ディ・ミズリーナには、岩峰だけでなく、それらの間に入り込む谷や窪地が複雑に存在します。 つまり、この山の名前を知るだけでも、景観を見るときに「峰」だけでなく「峰と峰の間」に目を向けるきっかけになります。 鋭い岩峰はどのように生まれた? カディーニ・ディ・ミズリーナの大きな魅力は、尖塔のような岩峰が連続する独特の地形です。 この景観は、長い地質学的な時間の中で、岩盤が侵食され、氷河などの作用も受けながら形成されてきました。 削られやすい部分が失われる一方で、比較的硬い岩が残ることで、急峻な岩壁や尖った峰、深い谷などが形づくられます。 ドロミーティでは、このような地質・侵食・氷河作用などが組み合わさって、特徴的な岩山の景観が生まれています。 カディーニの複雑な岩峰も、その長い自然史の結果なのです。 一つの山ではなく、岩峰が連なる山群 カディ...

ガビット・ケニ・ビーチ(Gabit Keni Beach)|アンコラの海と漁業文化、岩島の寺院が彩る静かな海岸

インド南西部、カルナータカ州の西側には、アラビア海に面した長い海岸線が広がっています。 その海岸線にあるアンコラ近郊で、ひっそりとした海辺の風景を見せてくれるのが、**ガビット・ケニ・ビーチ(Gabit Keni Beach)**です。 観光地として大きく知られたビーチとは少し違い、ここで印象的なのは、華やかなリゾートの雰囲気よりも、海とともに暮らす人々の生活が感じられること。 そして、沖合に見える小さな岩の島と、その上に建つ寺院が、この海岸の風景に独特の表情を加えています。 ガビット・ケニ・ビーチはどこにある? ガビット・ケニ・ビーチは、インド南西部のカルナータカ州、ウッタラ・カンナダ県アンコラ周辺にあります。 この地域はアラビア海に面した海岸地域で、アンコラから北へ進めばカルワール、南へ進めばゴカルナ方面へとつながっています。 カルナータカ州の海岸というと、ゴカルナのビーチなどがよく知られていますが、アンコラ周辺には比較的静かな海岸も多く、海そのものだけではなく、漁業や地域の暮らしを感じられる場所があります。 ガビット・ケニも、そうしたアンコラの海岸風景を知るうえで興味深い場所です。 インド政府系の資料にも「Gabit Keni, Ankola」として記録されており、周辺の沿岸環境を構成する地域の一つであることが確認できます。 「ガビット・ケニ」という名前が面白い このビーチの名前には、地域の漁業文化が関係しています。 「Gabit」は、この地域の海岸で暮らしてきた漁業コミュニティの名前に由来すると紹介されています。 つまり、単に美しい砂浜だから付けられた名前ではなく、 海とともに生活してきた人々の存在が、そのまま地名に残っている と考えると、この場所がさらに興味深く見えてきます。 海岸の名前を調べていくと、その土地でどのような人々が暮らしてきたのかが見えてくることがあります。 ガビット・ケニも、まさにそんなタイプの海岸です。 主役は「海」だけではない ガビット・ケニ・ビーチを特徴づけているのが、海岸の先に見える岩の島です。 そこには**スリ・マンゲテシュワル寺院(Sri Mangteshwar Temple)**が建っていると紹介されています。 海の向こうに岩の島があり、その上に寺院が見える。 この組み合わせによって、普通の海岸とは少し違った景観が生まれていま...

ウィナッツ・パス(Winnats Pass)|石灰岩の峡谷に刻まれたイングランドの峠道と伝説

イングランド北部、ダービーシャーのピーク・ディストリクトには、まるで巨大な岩壁に挟まれたような印象的な峠道があります。 その名は ウィナッツ・パス(Winnats Pass) 。 急斜面の石灰岩の山々に囲まれた細い道が、谷間を縫うように伸びています。なだらかな丘陵が広がるイングランドの風景を思い浮かべていると、その荒々しい地形には少し驚かされるかもしれません。 しかし、この場所の魅力は険しい景観だけではありません。 ウィナッツ・パスには、太古の海、石灰岩の地層、古い伝説、そして人々が山を越えてきた歴史が重なっています。 ウィナッツ・パスはどこにある? ウィナッツ・パスは、イングランド中部から北部に広がる ピーク・ディストリクト国立公園 の西側、ダービーシャーに位置しています。 現在は、キャッスルトン(Castleton)とホープ・バレー方面を結ぶ道路の一部として知られています。 周囲には石灰岩の山々が連なり、道路の両側には急な斜面が迫ります。 特に特徴的なのが、道路を挟んで左右にそびえる岩の斜面です。 谷底を走る道路から上を見上げると、山肌の巨大さが際立ち、ウィナッツ・パス独特の迫力ある景観を生み出しています。 「パス」は山を越える道 Winnats Passの「Pass」は、英語で 山道や峠、山を越える通路 を意味します。 つまりウィナッツ・パスは、名前そのものが「ウィナッツの峠道」という性格を表しています。 山地では、険しい山をどこから越えるかが非常に重要です。 標高の高い場所を無理に越えるのではなく、谷や地形の切れ目を利用して通過する。 こうした自然の地形を利用した場所が、古くから交通路として発達してきました。 ウィナッツ・パスも、まさに山地の地形が生み出した「通り道」といえるでしょう。 なぜ、こんなに険しい地形になったの? ウィナッツ・パスの景観を理解する鍵は、 石灰岩 です。 ピーク・ディストリクトには広い範囲に石灰岩が分布しており、その起源は非常に古い時代にさかのぼります。 現在のイングランドが形成されるはるか以前、この地域には暖かく浅い海が広がっていました。 そこに海洋生物の殻や骨格など、炭酸カルシウムを含む物質が長い時間をかけて堆積しました。 それらが固まり、長い地質時代を経て石灰岩の地層となったのです。 その後、地殻変動や侵食などによって地形が変化...

救急の日(9月9日)|119番・AED・応急手当、いざというとき命を守るために知っておきたいこと

9月9日は「救急の日」です。 「9(きゅう)9(きゅう)」という語呂合わせから、毎年9月9日は救急医療について理解を深める日とされています。 普段はあまり意識することのない救急医療ですが、突然のけがや病気、事故など、いつ自分や家族が救急車を必要とするかは分かりません。 救急車が到着するまでの時間、119番通報で伝える情報、そしてその場にいる人が行う応急手当――。 こうした一つひとつの行動が、救急隊や医療機関へ命をつなぐ大切な役割を果たします。 今回は「救急の日」をきっかけに、身近だけれど意外と知らない救急医療について見ていきましょう。 「救急の日」はなぜ9月9日? 「救急の日」は、救急医療や救急業務に対する理解と認識を深めることを目的として、1982年に厚生省(現在の厚生労働省)によって定められました。 日付は「9(きゅう)9(きゅう)」という語呂合わせ。 覚えやすい日付だからこそ、救急医療について考えるきっかけとしても分かりやすい記念日です。 また、9月9日を含む1週間は「救急医療週間」とされ、全国各地で救急に関する講習会や啓発活動などが行われています。 救急の日は、救急隊員や医療従事者の仕事に目を向けるだけでなく、私たち一人ひとりが「もしものとき、どう行動するか」を考える機会でもあります。 救急車は「病院へ行くための車」だけではない 救急車というと、「病院まで運んでくれる車」というイメージがあるかもしれません。 しかし、救急車の役割はそれだけではありません。 事故や急病などで一刻を争う場合、救急隊員は傷病者の状態を確認しながら必要な応急処置を行い、適切な医療機関へ搬送します。 つまり救急車は、単純な移動手段ではなく、 傷病者を医療につなぐための重要な救急システムの一部 なのです。 特に心停止などの一刻を争う状況では、救急隊が到着するまでの間に周囲にいる人が行う行動も非常に重要になります。 119番に電話するとき、何を伝えればいい? 突然の事故や急病が起きると、慌ててしまうのは当然です。 しかし、119番に電話した際には、まず落ち着いて状況を伝えることが大切です。 基本的には、 救急車が必要であること 現場の場所 何が起きたのか 傷病者の人数 傷病者の状態 通報者の名前や連絡先 などを伝えます。 住所が分からない場所であっても、近くの建物や交差点、店舗、駅など、目...